COLUMN

2020.03.10

保育園児の習い事!ワーキングママはどうしてる?

赤ちゃんから幼児に成長するにしたがって、子どもには個性が少しずつ芽生えてきます。そのため、「わが子に合った習い事をさせてあげたほうがいいかな」と考える人もいるでしょう。実際、街中では幼児を対象としたさまざまな習い事の教室が開講されています。しかし、子どもの習い事につきものの送迎は、ワーキングママにとっては頭の痛い問題ではないでしょうか。この記事では、保育園に通っている子どもの習い事事情について解説します。

保育園児の習い事は送迎がネック


保育園と幼稚園は、どちらも幼児期の子どもが通う保育施設ですが、両者は前提となる通う条件が異なっています。保育園に子どもを入園させるためには、母親が仕事を持っており、勤務時間中に子どもの世話をするのが不可能であるという条件を満たしていなければなりません。保育園は昼間の時間に家庭の代わりに子どもが生活をする場であり、幼稚園は教育を受ける場という位置付けになります。そのため、一般的に、保育園の保育時間は7時半頃から17~18時頃までとなっており、幼稚園は9~14時頃までです。 習い事の教室は、多くが学年や年代別でクラス分けされており、幼児向けのクラスは午後の比較的早い時間帯に開講されることが多くなっています。幼稚園に通う子であれば、幼稚園が終わった後に無理なく習い事に通うことができるでしょう。しかし、夕方まで保育園で過ごす保育園児は、平日の昼間に行われている習い事に通うのは難しいといえるでしょう。また、子どもがある程度成長すれば一人で習い事に出かけることもできますが、幼児のうちは自分で帰宅して習い事に出かけることはできません。幼児のうちに習い事をさせたければ、親もしくはそれに代わる人が送迎をすることが必須であるため、送迎ができなければ習い事をさせるのは難しいといえます。

休みの日に習い事をさせる


保育園児の年齢で習い事をするには送迎が不可欠であるため、習い事をさせたい人は、仕事が休みの日に行われているクラスを選んでいます。土日が休みの仕事であれば土日に通ったり、平日が休みの仕事であれば、休みの平日に開講しているクラスに通ったりしている傾向です。最近は、幅広いニーズに応えて、土日に開講している習い事の教室も増えてきています。そういう意味では、習い事をさせやすい環境が整ってきているといえるでしょう。 ただし、子どもの習い事の送迎は、意外と大変なのも事実です。家から習い事の教室までが遠ければ、子どもを送った後に家に戻る時間がないため、習い事が終わるまでその場で待つことになります。家から近くても、幼児向けの習い事の時間はそれほど長くないため、すぐに迎えに行かなければならず、ドタバタしがちです。特に、子どもが複数いて別々の習い事をしている場合は、送迎の負担はさらに増えてしまい、送迎だけで1日が終わってしまうといっても過言ではありません。仕事が休みの日に子どもに習い事をさせると、親にとっては体を休める日がなくなる可能性があります。また、習い事は定期的に通う場合が多いため、家族でのお出かけがしづらくなる場合もあるでしょう。

ママ友や親戚の協力があれば習い事はできる


仕事のある日に習い事に通わせたい場合、同じ習い事に通っているママ友で送迎を引き受けてくれる人が身近にいれば、協力してもらっている人もいます。また、近所に親や姉妹など、子どもの送迎を頼める親戚が住んでいる場合、保育園から習い事の教室までの送迎をお願いしているケースも多いです。子どもの習い事の送迎は、必ずしも親がしなければならないわけではないため、誰か助けてくれる人が身近にいれば、保育園に子どもが通っていても、習い事をさせることはできます。ただし、ママ友や親戚の人がいくら親しくても、好意で送迎をしてくれていることに対しては、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。

ベビーシッターに送迎だけを依頼


民間のベビーシッターのサービスには、保育園から習い事への送迎、習い事から自宅までの送迎を代行してくれるところがあります。送迎だけをピンポイントで頼むことができるため、平日は働いていて子どもの送迎が難しく、習い事をさせてあげられない人に人気です。 また、少し遠くの習い事に通うこともできるなど、習い事を選択する幅も広がります。送迎に特化したベビーシッターサービスの場合は30分単位を取っているところもありますが、1時間単位で料金設定されているのが一般的です。そのため、ベビーシッターを利用して習い事をする場合は、習い事の月謝にベビーシッター料金を足しても継続していけるかを考慮する必要があります。

地域のファミリーサポートを利用


地域のファミリーサポートセンターでは、保育園から習い事までの送迎、習い事から自宅までの送迎を引き受けてもらうことができます。ファミリーサポートセンターは、送迎に自転車や車を使うことが多いため、事故などの心配がないわけではありません。しかし、ファミリーサポートセンターで援助活動を行う場合、自治体は保険をかけなければならない決まりになっています。そのため、万が一援助活動を行っている際に事故に遭ってしまった場合は、傷害保険や賠償責任保険で補償金を受け取ることが可能です。会員になるためには、ケガや事故時の対応なども事前に学ぶ必要があり、講習会を受講することになっています。また、ファミリーサポートセンターの援助活動は、基本的に1対1で行うこととなっているため、提供会員の目が行き届きやすく、事故が起こるケースはほとんどありません。 ファミリーサポートセンターで送迎を依頼する場合、利用料は民間のベビーシッターに依頼するよりも安いため、利用しやすいメリットがあります。必要に応じて、平日だけでなく、土日、早朝や夜間にも利用することが可能です。なお、土日や早朝、夜間は少し料金は高くなるものの、通常の時間帯と比べて大きく違うわけではありません。 ファミリーサポートを利用するためには、事前に提供会員と依頼会員で顔合わせをして、どのような援助活動を行うのか合意をすることが必要です。忙しくて時間が取れない人や手っ取り早く子供を預けたい人には難しいかもしれませんが、大切な子どもを預けるために安全性に配慮した必要な手続きであることを理解しておきましょう。ファミリーサポートセンターを利用することで、子どもの送り迎えを気にせずに仕事ができたり、地域とのつながりができたりと、たくさんのメリットがあります。

送迎付きの学童保育で習い事


保育園まで子どもを迎えに来てくれて、その後子どもを預かってくれる学童保育のサービスがあります。学童保育までの送迎、学童保育から自宅までの送迎を頼むこともでき、送迎専用車、公共交通機関、徒歩など、さまざまな手段での送迎が可能です。送迎専用車は自動車保険にも加入済みですので、安心して依頼できます。学童保育内では、保護者の希望に応じて習字、外国語、ダンス、体操、ピアノ、絵画など習い事のレッスンを受けることも可能です。 習い事の教室まで移動する時間や手間を省くことができるため、安心安全に習い事をすることができます。なお、習い事をするためには固定曜日に利用する会員になることが必要です。ただし、冠婚葬祭や病気などの理由で利用できないときは、1月の中に回数制限はあるものの、振り替え制度を利用することもできます。

終業時間後の習い事を探す


最近は、共働きで子どもを育てている家庭も増えてきているため、幼児の習い事だからといって、平日の昼間だけに開講しているとは限りません。さまざまなニーズに応えるために、習い事の教室側でも平日の夕方からの幼児向けのクラスを開講するところが増えてきています。特に都市部では、夕方からの幼児向けのクラスを受講する子どもが増えているのが現状です。幼児向けのクラスを平日昼間にしか設定していなければ、保育園に通う子どもが入会することは事実上難しく、経営が成り立たないという教室側の事情もあります。土日は他の習い事がすでに入っているため、平日の夕方から開講している習い事を希望する親も少なくありません。教室側、親側の双方の利害関係が一致しているといえるでしょう。 また、平日の夕方は、フルタイムで働く親にとっては、買い物や夕食の支度、掃除や洗濯などで最も忙しい時間帯です。この時間帯に子どもが習い事に行ってくれれば、家事などがはかどるため助かると感じている人も少なからずいます。ただし、幼児教育の専門家のなかには、幼児教育自体への否定はしないものの、夕方以降に習い事に通うことについて警鐘を鳴らしている人もいるのが事実です。特に保育園児の場合は、保育園で過ごす時間が長いため、本来なら夕方以降は家でゆっくりすることが大切であるとしています。夕方以降に習い事に通わせる場合は、子どもの体力なども考えて、スケジュールに無理がないかを慎重に検討した方がよいでしょう。

習い事ができる保育園を選ぶ


保育園のなかには、1日の保育カリキュラムの中に習い事の要素が入ったものを採用しているところがあります。ネイティブスピーカーによる英語のレッスンや、リトミック、音楽レッスンなど、専任講師が教えているのも特徴です。保育園のカリキュラムに習い事がある場合、保育料にその費用が含まれているため、新たに習い事の費用がかからず、総合的にみて費用が安く済むメリットがあります。また、保育時間中に行ってもらえるため、習い事のために別の場所に移動する手間もかかりません。保育園から習い事の教室までの移動に不安がある人でも、安心して利用することができます。 普通の習い事だけでなく、私立小学校の受験対策を行う保育園もあります。私立や国立の小学校に子どもを入学させたいと思っていても、働いているため、子どもを受験対策の塾に通わせる時間を作るのが難しい人に人気です。保育園で習い事だけでなく受験対策までカリキュラム化されていれば、働く親にとっては心強い味方になってくれるでしょう。

時間を選ばない自宅での習い事


自宅でできる習い事であれば、子どもが保育園に通っていて送迎の時間が取れない人でも、習い事をさせることができます。空き時間を利用して習い事ができますし、送迎の必要がありません。また、自分の目の届く範囲で子どもに習い事をさせられるのがメリットです。国際社会になってきているのを反映して、さまざまな習い事のなかでも英会話を習わせたい人が増えています。自宅にネット環境があれば、オンライン英会話を受講することが可能です。オンライン英会話は、マンツーマンでレッスンを受講することができ、語学力だけでなくコミュニケーション能力や表現力も身につけることができます。幼児向けのカリキュラムを用意しているところもあり、ライフスタイルに合わせて受講できるのが魅力です。 また、幼児向けの通信教育講座も人気があります。子どもの月齢や年齢に合わせた教材が毎月送られてくるため、子どもの心をつかみ、楽しく受講することが可能です。価格も、塾や習い事に比べると安いため、気軽に始めることができます。ただし、自宅でできる習い事は、文字や数字などを教えるお勉強系の習い事が多いのも特徴です。

親も子供も無理をしないことが大事


「子どもの可能性を広げたい」「得意なことを伸ばしてあげたい!」という思いで、何か習い事をさせたいと考えている人もいるでしょう。しかし、習い事は必ずしも早くから始めた方がよいとは、一概にいえない部分もあります。小学生になってから習い事を始めても、幼児より理解力や吸収力が育っているため、早く始めた子どもと同じレベルにすぐに追いつくことも少なくありません。子どもが小さいうちは、どんな習い事をさせるにしても、送迎は必須です。そのため、共働きでフルタイムで働いている人にとっては、習い事の送迎がネックになることもしばしばあるでしょう。仕事が休みの日に習い事を入れる方法もありますが、毎週同じ時間に通うことになるため、スケジュールが拘束されてしまいがちです。平日に習い事をしたい場合、近所に協力してもらえる親戚やママ友がいて送迎をお願いできる環境なら、習い事をするのは難しくはありません。 子どもが保育園に通っていて習い事をさせたい場合は、各家庭の事情に合わせて親も子も無理をしないことが重要です。子どもが楽しく通えることが大切ですので、子どもが成長して自力で通えるようになるのを待って始めるのも選択肢の1つですし、決して遅くはありません。しかし、今は働く親をサポートしてくれるさまざまなサービスや制度もありますので、それらを利用して幼児のうちから習い事を始めてみてもよいでしょう。