COLUMN

2020.03.07

幼児の習い事!どんな点を注意して選んだらいいの?

わが子がTVを観ながら歌ったりダンスをしたり、お絵描きに熱中していたりする姿をみていると「そろそろ習い事でも始めようかしら」と思う人も多いでしょう。特に、周りのお友達が習い事を始めていると、自分の子供にも何か習わせたくなりますよね。そこで、幼児期から習い事をさせることにはどんな意味があるのかを説明していきます。アスリートや芸術に特化した人のなかには、小さいことから習い事をして道を極めた人も多くいますよ。幼児期の習い事選びには、それだけ非常に重要な意味があるのです。そのなかで、選びたい習い事についても紹介していきます。

幼児期は子供の持ち味を知る時期

自分で「これなら続けられる!」「将来は憧れの舞台に立ちたい!」などと具体的に答えられる幼児はほとんどいないといっていいでしょう。そのため、幼児期に習い事をさせたいと思っても、何を習わせたらいいのか迷ってしまいますよね。幼児期はまだ、子供にどんな長所や短所があるのかがはっきりわからない時期でもあります。特別に人より秀でた才能があれば、それを伸ばしてあげることが重要ですが、目で見てすぐ分かる才能があることは稀でしょう。そのため、親が子供の特性をよく観察して導くことが大切です。 例えば、「優しいね」「誰とでも仲良くなれるね」「好奇心旺盛だね」と友達や先生に褒められたら、これが長所であり持ち味になります。誰とでも仲良くできるというのは、コミュニケーション能力が高く、社会人になっても非常に役に立つ能力の1つです。しかし、なかなか伸ばしてあげられそうな長所が見つからないという場合も多いでしょう。そんなときは、短所や弱みに目を向けてみることです。例えば、子供でよく指摘されやすい「落ち着きがない」という短所ですが、見方を変えれば「活発である」という長所でもあります。 短所や弱みが分かって初めて、その子の持ち味や強みが見えてくることもあるのです。したがって、幼児期はやりたいことを自由にやらせてあげるのが大切な時期でもあるのです。

将来のために競争を味わえる環境を

幼児期になると悔しいと思う気持ちが芽生え、できないことにイライラして泣き出してしまうこともあるでしょう。運動会のかけっこなどで負けてしまい、わが子が悔しくて泣きじゃくる姿を見ると、親として胸が締め付けられることもあると思います。しかし、子供が将来自分の頭で考えて行動できるようにするためには、成功だけでなく失敗の経験も必要なのです。子供を守ろうとして競争をさせない大人もいますが、それこそ子供のためになりません。競争をすることで得られるのは、相手を蹴落とすことでも、優劣をつける感覚でもないのです。 競争をすることで、目標に向かってがんばる気持ちが育ちます。そして、自分の得意な部分に気づくことができるのです。かけっこを例に挙げると、1番になれなかった子供は競争に勝つためにどうしたらいいのか、考えて努力します。また、自分は足が遅いということに気づいた場合、自分の強みがどこにあるのかを探せるようになるのです。自分の強みが理解できないまま成長して進学や就職をすると、「この仕事は自分に合ってないじゃないか?」となんとなく転職を繰り返してしまうことにもなりかねません。 さらに、幼児期に挫折を味わった経験が極端に少ないと、失敗から立ち直るすべを知らず、ドロップアウトしてしまうこともあるのです。気持ちの切り替えが柔軟で、あらゆることが吸収できる幼児期に、同年代の子供たちと切磋琢磨できるような環境が望ましいでしょう。そのため、習い事は競争を味わう環境に適しているといえます。

子供が夢中になれる習い事を選ぶ

習い事で長所や強みを伸ばしてあげるためには、子供の長所や強みがどこにあるのかを知る必要があります。それを知るには、競争をすることも大切です。競争をすると、足の速い・遅いだけではなく、「結果を受けて努力をするか」「諦めて違うものにトライするかどうか」などの個性もみられます。子供の個性を理解したうえで、長所や強みを見つけ、伸ばしてあげましょう。 そして、親が習わせたいものではなく子供が自分からやりたいと感じる習い事をさせることも大事です。幼児期は、強みが分からずに親の理想を押し付けてしまいがちです。しかし、「好きこそ物の上手なれ」ということわざもあるように、好きなものには子供も「もっとやりたい!できるようになりたい」と熱中します。反対に、好きでなければ練習も苦痛になり、続けることもできません。 そのため、子供が夢中になって取り組めるものを習わせてあげることが、上達へとつながるのです。また、上達すると自分に自信がつきます。友達や先生から褒められることで、さらに夢中になって続けていくことができるのです。

幼児の習い事を選ぶ3つのポイント

幼児期の習い事は、子供の個性によって合うものが違います。子供の個性は十人十色です。そのため、「周りの子が習っているからうちも」という選び方をすると、長続きせず親も子も苦労する可能性があります。ここでは、幼児期の習い事を選ぶ3つのポイントを紹介します。1つ目は、子供の性格や人柄です。「優しい」「人なつっこい」「集中力がある」などです。ほかにも「忍耐強い」「負けず嫌い」「親分肌」などがあります。例えば、負けず嫌いの子供には競争するような習い事をさせたり、人なつっこい子供には仲間と一緒に頑張る習い事を選んだりするといいでしょう。子供も性格や人柄に合った習い事を選べば、楽しく続けることができます。 2つ目は、子供の興味や関心です。これは、「運動が好き」「歌やダンスが好き」「お絵かきが好き」や、「動物が好き」「車が好き」など、特定のものが好きだということも立派な興味・関心になります。好きなものを習うことができれば、上達も早いでしょう。3つ目は、子供の運動能力です。「力が強い」「動きが俊敏」「持久力がある」などです。運動をする習い事でも、瞬発力が必要なものと持久力が必要なものがあります。走ることにスポットをあてると、絶えず走り続けるサッカーでは持久力が必要になり、打ったら走る野球には瞬発力が必要です。このように、運動能力に合わせて、習い事を選ぶことも重要になります。 子供の「性格や人柄」「興味や関心」「運動能力」この3つを総合的にみて、合うものを選ぶようにしましょう。

習い事の主役は親ではなく子供

子供が発表会で成功したり、競技で1番になったりすると子供も親もうれしくなりますよね!子供の喜ぶ姿を見たいがあまり、親の指導にも熱が入ることがあります。しかし、親が必死になりすぎると、子供の習い事は伸びません。「ちゃんと練習しなさい」「こんなミスしないで」などと叱ってばかりいると、「習い事=怒られる」というイメージがついてしまい、子供のやる気を損なってしまいます。大人でも上司や先輩から怒られると、嫌な気持ちになりますよね。子供もそれは同じです。 子供自身が「楽しい」「やりたい」と思う習い事選びや環境が大切です。それが上達につながります。「すごいね!」「がんばったね」と褒められると、子供はもっと褒められたいと思い努力します。習い事の主役は、あくまでも子供だということを忘れないようにしましょう。親の顔色を見ながら続ける習い事では、必要なことは身につきません。

ないものよりもあるものを伸ばす

親は、「集中力がないから集中力を伸ばせる習い事をさせたい」「社交性がないから、ほかの子と積極的にかかわらせたい」という理由で習い事を決める傾向があります。ないものばかりに目がいきがちで、いわゆる「普通」に届くように補おうとします。しかし、子供に合っている習い事であれば、集中力も社交性も自然と身についていくのです。好きなものであれば、夢中になって続け、ほかの子と切磋琢磨します。自然と仲間意識も芽生え、コミュニケーションを取るようになるのです。 子供に欠けている能力を強化することを考えるよりも、持ち合わせている個性を伸ばす習い事がおすすめです。例えば、「落ち着きはないが好奇心が旺盛」「人見知りだが自分の世界には没頭しやすい」というように、短所を長所に転換して考えると合うものをみつけやすくなります。ないものではなく、あるものに注目して習い事を選択しましょう。

勉強以外の習い事をさせることが大事

習い事を選ぶときに、将来の受験などを見据えて勉強系の習い事を考える人も多いと思います。早い時期から英会話を習わせたり、勉強系の教室に通わせたりすることは、悪いことではありませんが、習い事とは切り離して考えたほうがいいでしょう。勉強だけを強みにしてしまうと、受験で挫折したときなどに、自分が持っているほかの強みになかなか目を向けられません。勉強は多くの人が行うものなので、勉強系の習い事は必ず役立つように思えますが、同じように勉強を得意とする人数も相対的に多くなります。 小学校や中学校で成績がトップだった子供も、進学とともに自分より優れた成績の子供に出会うでしょう。地元では天才と呼ばれていて自分でも勉強が得意だと思っていたのに、各地の成績優秀者が集まる大学では平均以下の成績になってしまうこともあります。勉強しか得意とするものがないと、一気に挫折してしまう可能性が高くなってしまうのです。勉強は伸ばしやすい才能の1つですが、ほとんどの人が通る道なので、それだけに絞ってしまうのは危険でしょう。そのため、幼児期の習い事としては、音楽やスポーツなど、勉強以外の分野の習い事を選ぶことも大切です。

上達したことを実感できる習い事がいい

習い事選びに注意すべき点が、もう1つあります。それは、上達が実感できる習い事を選ぶことです。幼児は、つまらない練習やつらい練習を何度も繰り返すことが、できることにつながるということを、頭で理解することができません。そのため、いくら好きな習い事でも、つまらない練習ばかりだとすぐに飽きてしまったり、続けられなくなってしまったりします。そうならないためにも、成果を実感できることが大切です。何度も練習や失敗を繰り返すことが、きちんと成果につながる習い事を選びましょう。 地道な練習が上達につながる習い事として、水泳やダンス、ピアノが適しています。毎日コツコツと努力することで、目にみえる成果がでるのでモチベーションアップにもつながるのです。さらに、このような習い事では1つのことができるようになったら次の目標を立てることができます。小さな成果を重ねて達成感を味わいながら、大きな目標に向かえるので自信もつけることが可能です。親にとっても、上達が分かりやすいので褒めて伸ばしやすい習い事だといえるでしょう。

楽しく習うためには教室選びも重要

どんな習い事が子供に合っているか分かったら、教室選びも考えましょう。幼児の習い事は、楽しく自分からやる気を持って続けることが大事です。同じ習い事でも、先生との相性が悪いと子供は楽しく習い事ができません。水泳やダンス、ピアノなどのメジャーな習い事であれば、教室も1つではないはずです。「生徒数の多い教室で同年代の子供と楽しく学びたいのか」「少人数制の教室でじっくり指導を受けたいのか」によっても選ぶ教室が違います。また、保護者会などがあり親同士のつながりが深くなる教室もあります。教室によってさまざまな特色があるので、子供に合った教室を選ぶようにしましょう。 そのためには、教室は1つではなく複数の教室に足を運んでみることも重要です。インターネットで教室の紹介がある場合もありますが、子供が実際になじめるかどうか、体験に行ってみるのもいいでしょう。有名な教室かどうかではなく、子供が楽しく通える教室かどうかを考えて選ぶことが大事です。

子供目線で習い事を選ぼう

幼児期の習い事では、「将来サッカー選手になってほしい」「姿勢がよくなるバレエを習わせたい」など、自分の長所と短所が理解できない子供に代わって、親が習い事を選択してしまいがちです。しかし、親がやるべきことは自分が習わせたい習い事を選ぶことではありません。子供の持ち味を活かすことができ、「楽しく通い続けられる習い事は何なのか」について見極めることが重要です。そのためには、子供の長所や特性を考えてみる必要があります。「普段の生活や遊び、先生や友達からどう思われているか」が大きなヒントです。 「自分の子供にどんな個性があるのか」「その個性を伸ばす習い事にはどんなものがあるのか」を考えてみましょう。そして、その習い事を体験してみて熱中するようであれば、その子に合っている習い事だといえます。合っている習い事であれば、上達も早く、長く続けることが可能です。多くの親は子供の笑顔や将来のために習い事をさせたいと思うはずです。その気持ちを忘れず、子供の目線に立って、楽しめる習い事を選ぶようにしましょう。