COLUMN

2020.03.25

男の子にぴったりの習い事は何?選ぶときのポイントは?

子どもが成長すると、できることや興味を持つものが増えてきますよね。何か習い事を始め、才能を伸ばしたり思いっきり楽しんだりしてほしいと考えるママやパパも多いのではないでしょうか。ただ、世の中にはたくさんの習い事があるため、我が子にどんな習い事が向いているのか、どのように選べば良いのか悩んでしまいがちです。そこで、今回は悩めるママやパパのために、男の子に人気の習い事や選ぶポイント、注意点など気になる情報を紹介していきます。

「男の子だから活発」とは限らない


男の子といえば、長い間じっとしていなかったり、泥だらけになって外を走り回ったりする活発なイメージが強いですよね。体を動かすことが大好きだから、スポーツ系の習い事をさせてあげようと考えるママやパパも多いでしょう。しかし、子どもの性格は個人差が大きく、男の子であれば全員が活発だとは限りません。中には運動が苦手な子もいますし、お姉ちゃんの影響などで、おままごとやお絵かきといった手先を使った細かい遊びが好きな子もいるのです。 それにもかかわらず、「男の子はやっぱり運動!」と決めつけてスポーツ系の習い事をさせてしまうとどうなるでしょうか。あまり得意ではない習い事だと、子どもはやる気や楽しさを感じられず、続けるのを嫌がってしまいます。習い事の日が来るたびに憂鬱になり、そのスポーツが嫌いになってしまう可能性もあるでしょう。せっかく子どものためを思って習い事をさせているのに、そうなってしまっては本末転倒です。親子ともに楽しんで習い事に打ち込むためにも、男の子だからという先入観は捨てて、子どもそれぞれの個性をよく見極めたうえで習い事を選ぶようにしましょう。

競争や達成感のあるものが男の子向き


男の子と女の子は、見た目はもちろん遺伝子の特徴も異なります。男の子には「テストステロン」という男性ホルモンが多く分泌されているのですが、このホルモンには競争心や冒険心といったチャレンジする気持ちを高める作用があるのです。もちろん、幼い子どもは男性ホルモンの分泌も活発ではありませんし、ホルモンの分泌量にも個人差があるため全員が強い競争心を持っているとは限りません。しかし、遺伝子レベルで見れば男の子は女の子よりも勝負を好む傾向があるといえるのです。 このため、男の子には仲間やライバルと切磋琢磨しながら自分の能力を高めていけるような習い事が向いています。テストステロンはチャレンジと成功を繰り返すたびに分泌量が増えるという研究結果も報告されているため、達成感を得られる習い事であれば長続きしやすいでしょう。テストステロンには社会性を高める作用もあるので、習い事を通して仲間と協力する力も身につく可能性があります。子どもは楽しく遊ぶのが一番ではありますが、成長させるためにもあえて競争を経験させてみるのもおすすめです。

スポーツ系の習い事は子どもの興味を重視


体力をつけるためにも、やはり男の子にはスポーツを習わせたいというママやパパも多くなっています。ミキハウスが2017年の10月に行った「通わせてますか?習い事」というアンケートでは、男の子に人気の習い事が公表されています。その結果によると、第1位にスイミング、第3位にサッカー、第5位に体操がランクインしているのです。スポーツ系の習い事が、根強い人気を誇っていることがわかりますね。これ以外にも空手やダンス、野球など体を動かす習い事に通わせているケースも多く、選択肢は非常に広いです。 ただし、どのスポーツを習わせるにしても、親ではなく子どもの興味を重視することが大事です。サッカーなどの団体競技に向いている子もいれば、テニスなどの個人競技が向いている子もいます。体格によって向き不向きも変わってきますし、走るのが得意でもボールの扱いは苦手という子もいるでしょう。スポーツが好きなママやパパだと、「この競技をやってほしい」と思ってしまいがちですが、子どもの特徴を把握してそれに合ったスポーツを選ぶことが大切です。本人にやる気がなければ、身に付かないばかりか集中力が続かず、ケガもしやすくなってしまいます。本人がやりたくないスポーツを、無理強いするのは良くありません。

論理的な思考が身につくプログラミング教室


IT化が進む現代において人気が急上昇しているのが、「プログラミング教室」です。習い事としてはあまりなじみがないでしょうが、プログラミングは2020年から小学校の必修科目として導入が検討されているほど重要なスキルなのです。将来的に就職にも有利になると考え、小さいうちに習わせたいと考える人も増えてきています。プログラミングと聞くと難しそうに感じますが、幼児向けのレベルから小学生や中学生向けまで段階的にカリキュラムが用意されているので、子どもの習い事としてもハードルが高すぎるわけではありません。 プログラミングは、目的を達成するために「どんなアルゴリズムにすれば良いか」「どんな順序で処理を実行するか」などを考えるものです。たとえば、コンピューターに指示を入力し、その通りにロボットなどを動かす手順を学びます。これにより、日常生活でも物事の筋道を考えて論理的に進める習慣が身につきます。論理的な思考は、一度身につくと簡単には失われません。成長してからも勉強や仕事などさまざまなシーンで役立つので、子どもの能力を高める基礎としては最適な習い事だといえるでしょう。ただ、プログラミングは好き・嫌いや得意・苦手がはっきりと分かれる習い事なので、やはり子供の興味を重視することが大事です。

音楽系の習い事は日常的な練習時間が必要


ひと昔前は女の子の習い事の定番だった「音楽系の習い事」ですが、近年では男の子でも習っている子は少なくありません。音楽に興味がある男の子には、ピアノやバイオリン、ギターなど自分で楽器を奏でる習い事をさせてあげると良いでしょう。自由自在に楽器を奏でられるようになれば、大きな満足感や達成感を得ることもできます。ただし、ピアノなど楽器を使う習い事は、レッスンの時間だけでなく、日ごろの練習が必要不可欠となります。どのレベルを目指すかによって、毎日必要となる練習時間も変わってきます。とにかく楽しめれば良いという場合は問題ありませんが、好きな曲を弾けるようになりたい、コンクールを目指すなどの目標がある場合には、多くの時間を割かなければならないでしょう。 遊びたい盛りの男の子の場合、仲の良いお友だちが遊んでいるのにピアノやバイオリンの練習をしなければならないとなると、苦痛を感じてしまう可能性もあります。しかも、個人の能力によっては練習を重ねてもなかなか上手にならないこともあるでしょう。上手になるためには、子ども本人が上達したいという気持ちを持ち、毎日コツコツと練習を続けることが大切です。音楽系の習い事をさせる場合は、この点を子どもと一緒によく話し合って決めるようにしましょう。

精神が鍛えられ礼儀も身につく武道系


日本で親しまれる習い事としては、空手や柔道、剣道といった武道系のものもあります。古来から伝わる武道では強さだけでなく礼儀作法も重視されるため、習っているうちに自然と礼儀作法が身につくというメリットもあります。礼儀作法は単に儀礼的なものというだけではなく、武道によっては技を覚えるために必要となることもあります。礼儀作法と技の習得は切っても切れないものであり、1つの習い事で2つのスキルが身につくということです。また、武道では常に対戦相手へ敬意を持ち、礼儀を守って試合に臨むことが求められます。強くなるだけでなく、そうした感覚を身に付けることは、遊びが激しくなりがちな男の子にとって大切なことです。 また、多くの武道では「級」や「段」など、習熟度がわかりやすく評価されます。子どもがどれくらい上達したのか、本人にも親にも分かりやすく伝わるので達成感も得やすくなっています。チャレンジ精神旺盛な男の子にとって、上達が客観的にわかりやすいということも、モチベーションを維持する大きなポイントになります。教室によっては大人と一緒に習うケースもあるため、年齢の違う人々と礼儀を守りつつコミュニケーションを取ることで、社会性も身に付けることができるでしょう。

個性に合わせた表現の仕方を考える


大人でもさまざまな性格や個性を持った人がいるように、男の子にもいろいろなタイプがいます。体を動かすのが好きな子、仲間と一緒に楽しむのが好きな子、本を読むのが好きな子など、それぞれ適している自己表現の方法は実に多彩です。このため、習い事を選ぶときは、子どもに適している自己表現のやり方を見極めてあげることが重要です。たとえば、話すことが得意なら英会話、音楽を聴くのが好きならピアノ、自分の世界を楽しめるなら絵画や造形などがおすすめです。歌ったり踊ったりすることが好きであれば、音楽と体の動きを合わせて自分を表現できるダンスが良いでしょう。 このように、子どもの好きなことや自己表現の仕方を正しく把握し、それに合った習い事を考えることがポイントです。個性がよくわからない場合は、毎日子どもの様子をじっくり観察してみましょう。ママやパパが気づいていなかっただけで、意識して見てみると我が子の意外な才能に気づくかもしれません。最初は「これが向いているかも」というレベルでも良いので、子どもの意見を尊重しながら個性に合った習い事を選んでみましょう。

熱中できるものを見極めることが大事


子どもは、大人ほど集中力や興味が長続きしないことも多いものです。続ければ上達するとわかっている習い事でも、集中力が切れるとそれ以上続けるのを嫌がり、結局上達せずにやめてしまうということも珍しくありません。これではあまり意味がないので、最初から子どもが熱中して打ち込めるものを見極めることが大切です。普段どんな遊びに熱中しているか、何に興味を持つことが多いか、などの点を注意深く観察するようにしましょう。 得意なことや好きなことを習い事にすれば、長続きして上達する可能性もグッと高まります。たとえば、じっとしているのが苦手で体を動かすのが好きな子に、学習塾や絵画など長時間机に座って作業するような習い事は向いていません。興味よりも苦痛を感じるほうが大きくなるため、習い事そのものを嫌いになってしまうかもしれません。子どもの習い事は、子どもがやる気を持てるものが一番。夢中で打ち込めるものを見つけて習わせたほうが、結局子どもの才能を伸ばす近道になるのです。

技能以外に身につくものがある習い事がいい


習い事をさせるとき、親としては「上達してほしい」という意識が強くなってしまいがちです。スイミングならクロールや平泳ぎが泳げるようになってほしい、野球ならうまくバッティングできるようになってほしいなど、技能の習得を目指すことが多くなってしまいがちです。技能は目に見えて上達がわかりやすいため、ついそちらを優先してしまうのも無理はありません。しかし、習い事で身につけられるのは技能だけではなく、他にもさまざまな成長が期待できるのです。 男の子の習い事は、目先の技能だけではなく、続けることで得られるプラスアルファの部分にも注目して選ぶことも重要です。たとえば、サッカーなら技能そのもの以外に、チームメートとの連携や役割分担の重要性などが身に付けられます。また、基礎体力作りを通して持久力や忍耐力、その場に応じてボールをさばく臨機応変な判断力なども身につくでしょう。技能以外に、こんなにもプラスアルファの要素があるのです。スイミングも、泳ぎ方だけでなく心肺機能の向上や体力強化といったプラスアルファが期待できます。 技能を習得すると達成感がありますが、将来的にそれを活かしてスポーツ選手として活躍できる人はほんの一握りです。しかし、習い事を通して身についたプラスアルファの要素は、そのスポーツを辞めた後も社会で大きく役立ちます。プラスアルファでどんなことが身につくかということにも注目し、幅広い視野で習い事を選ぶようにしましょう。

男の子だからということにこだわりすぎない


サッカーや野球、武道などの習い事は、イメージ的に男の子に向いていると思われがちです。しかし、イメージはあくまでもイメージ。子どもがどんなジャンルに興味を持つかは、個人差があって当たり前です。ピアノや料理など一般的には女の子が習いたがるようなものでも、子ども本人が熱意を持ってやりたがっているのであれば、ダメと言わずにチャレンジさせてあげましょう。 「将来性がない」「男の子なのに恥ずかしい」などと思う必要はまったくありません。その習い事が子どもにどんな成長をもたらすのか、やってみなければわからない部分もあるでしょう。本当に興味を持って打ち込める習い事であれば、無理やり続けさせられる習い事よりもずっと子どものためになるでしょう。男の子だからとスポーツ系の習い事にこだわらず、子どもが興味を持っているものを選んで習わせてあげることが大切です。これを機に、どんな習い事をやってみたいか親子で話し合ってみてはいかがでしょうか。