COLUMN

2020.03.20

子供の習い事の定番!スポーツは何をやらせればいいの?

子どもの習いごととしてスポーツを選ぶ親は多いですね。丈夫に健康に育ってほしい、仲間と協力する大切さを学ばせたい、自分が好きなスポーツを一緒にしたい、など親の願いはさまざまでしょう。興味が持てる分野の才能を伸ばしてあげたい、特技を身に付けて自信を持ってほしい、という人もいます。英語や音楽の習いごとなどと並行して体を動かすスポーツを習わせているケースも多くなっています。しかし、あまりにも種類が多いために何を習わせればよいのか、子どもにはどのスポーツが向いているのか、と迷う人もいるでしょう。そこで、習いごととして子どもや親に人気のある代表的なスポーツについて、向き不向きなどを解説します。

子供にスポーツを習わせるメリットは?

子供にスポーツを習わせると、以下のようなメリットがあります。 定期的に運動することにより基礎体力が上がるため、将来的にどんな運動にも抵抗なく取り組めるようになることが第一に挙げられます。小学校の体育の授業や運動会、縄跳び大会やマラソン大会なども自信を持って楽しく参加することができるでしょう。また、体のあちこちを動かすため、骨が丈夫になり筋肉がつき、心肺機能が鍛えられることも大きなメリットです。ケガや病気に負けない健康な体づくりに役立ちます。 スポーツを通して「負けたくない、もっとうまくなりたい」という気持ちが芽生え、そのために努力できるようになります。精神的にも強くなったと実感し、我が子の成長を頼もしく思う親が多いです。幼稚園や学校生活とは異なったアプローチで礼儀作法や他人に対する接し方も学ぶことができます。普段の生活の場とは異なる公共の場でのルールを守ることや指導者である大人への態度など、さまざまな社会的マナーも身につくでしょう。 基本的なことから指導を受ければ、将来的には特技や趣味として継続して楽しむことが可能です。生涯に渡って長く続けられるスポーツになれば、プロや指導者を目指すことがあるかもしれません。いくつになっても得意なスポーツで仲間と楽しむこともできます。 小さいうちに好きなこと、得意なことが見つかればその後の人生は豊かなものになるでしょう。子どものうちに夢中になって打ち込める、努力して成果を得る、という貴重な体験ができるメリットは親が思っている以上に大きいものです。

スポーツを習わせるデメリットも知っておこう

子どもにスポーツを習わせることには、メリットだけでなく次のようなデメリットもあることを理解しておきましょう。 子どもが小さいうちは、指導者だけにすべてを任せるわけにはいかないことも多いものです。習いごとの場所までの送迎以外にも、準備や後片付け、お茶出しや清掃、場合によっては練習場所の予約、保護者の役員などを、親が引き受けなければならないこともあります。また、試合や大会、発表会などでは遠方への送迎や場所取りなど、親が関わらなければならないことも多くなる場合もあります。 子どもが別々の習いごとをしている場合などは、夫婦で別行動をしなければならなかったり、親の仕事休みの時間を全部、子どもの習い事のために割かなければならなくなったりするケースもあります。また、中には癖の強い保護者がいる場合もあり、親の人間関係でもめるケースもあるようです。見学や体験レッスンの際に、保護者の雰囲気も観察しておくとよいでしょう。 月々の月謝は安いものの、それ以外に多くの費用が必要なスポーツもあります。成長に応じて次々に道具を買い換えなければならないことや、消耗品のため傷んだり壊れたりする前に交換が必要な道具などもあります。試合で遠くの会場へ遠征するための費用や、合宿、大会への参加費、ユニフォーム代などさまざまな費用が必要となる場合もあります。こうしたことは、事前にきちんと確認しておくことが大切です。指導者や先輩の保護者などにも相談できるなら、聞いておくことをおすすめします。教室や道場によっては、先輩たちのお古を譲ってもらえる場合もあります。

男女ともに習う子供が多い水泳

手軽に始められて月謝以外にかかる費用が少ない水泳は、子どもの習いごととして男女ともに人気です。全身運動なので筋力がバランスよく強くなることと、心肺機能が鍛えられること、体力もつき風邪などもひきにくくなることが人気の要因です。また、呼吸機能の改善や向上が見られるため小児喘息などにも有効といわれています。水の浮力が成長期の子どもの体の負担を軽減し、骨の発育や関節を守ることができるというのも大きなポイントでしょう。 特別な難しいルールもなく、小さな子どもでも簡単に始められるところも人気の理由の一つです。ほかにも、全国的にスイミングスクールが多く通いやすいことも挙げられます。ある程度の規模のあるスイミングスクールでは各地にスクールバスが運行されていて、自宅付近にバス停があれば保護者が送迎する必要がありません。 また、月謝のほかに必要な出費が水着とスイミングキャップの購入費用程度で済むため、金銭的負担が少ない点も魅力です。定期的に進級試験などもあり、泳げる距離や時間計測など上達の度合いが子どもにもわかりやすいことも、上を目指して努力しようという気持ちになるのでしょう。自分の能力に応じて無理なく練習できるところも続けやすいポイントといえます。

基礎体力が向上する体操教室

本格的な器械体操を行う体操クラブではなく、学校の体育などで行うような鉄棒や跳び箱、マット運動などを指導してもらえる体操教室も人気があります。幅広くさまざまな運動を通して、基礎的な運動能力を身に付けさせてあげたいという親の願いも込められているのでしょう。小学校や中学校に上がれば体育の授業でひと通り習うものですが、その前に基礎を身に着け苦手意識がなくなっていれば、学校では簡単に課題をクリアできるでしょう。 みんなの前でお手本で演技披露することもあり、周囲から一目置かれ自信を持つ子供もいます。教室の対象年齢は、幼児期から小学校低学年までとしているところが多いようです。個人的に道具を用意する必要がないので、練習着以外の余分な費用が発生しにくいのも人気のポイントでしょう。また、送迎以外の親の負担が少ないのも特徴です。

積極性や協調性も身につくダンス

小学校や中学校でダンスが必修となったことから、ダンスに通う子供が増えています。ヒップホップダンスなどの独特な動きは、基本から習うと上達の度合いがまったく違ってきます。音楽に合わせて体を動かすダンスは、リズム感が養われ、音楽と動きが一体になった楽しさが味わえるでしょう。大勢に見られることを前提として顔の表情や指先にまで神経を使ったパフォーマンスは、自己表現力や積極性も身につきます。指導者が教える振り付けをいち早く覚えて踊れるようになるスキルは、経験しないとできないものです。最初はなかなか覚えられずに苦労しても、そのうちだんだんと早く覚えられるようになり、リズムに乗って身体が自由自在に動くようになります。 そのようにして、見よう見まねで動きを真似する能力は、他の面でも大いに役立ちます。ダンスだけでなく他のスポーツでも上達が早いものです。また、個人のスキルを向上させるだけでなく、周りの仲間とうまくシンクロさせる努力が必要なので協調性も身につきます。ダンスは特別な道具を必要としないため、衣装やシューズがあれば誰でも簡単に始められます。一口にダンスといっても、ヒップホップ、ジャズダンス、チアダンス、社交ダンスなどさまざまです。曲調や動きが大きく異なるため、子どもの好みなども合わせて検討することになるでしょう。 教室として発表会や地域のお祭りなどで出演することがあり、曲ごとに衣装替えをすることもあります。ただ、その場限りでなく何回かは使い回しができるため、そう負担に感じることもないでしょう。髪形やメイクなども派手にしたいという本人の希望で、髪の毛の編み込みの講習会に楽しんで参加するママもいるようです。

運動量が多く持久力が身につくサッカー

サッカーも男の子を中心に根強い人気のある習いごとです。フォワードやバック、ゴールキーパーなどポジションの役割を理解して、広い視野を持って状況を読んだ動きが必要とされるスポーツです。団体球技とはいえ個人での練習も比較的しやすい種目です。長時間動き回る持久力やスタミナもつき、脚力や走力がつくことも期待できます。必要なものは、ボールとシューズ、ストッキングやすね当て、練習着とユニフォームです。ほかに、クラブチームなどでは決められたバッグやベンチコートなどの購入が必要になることもあります。 どの程度のレベルのクラブを選ぶかで、かなりその後の環境が変わってくるでしょう。楽しんでルールを覚えるためのサッカー教室のようなところから、選手を目指すためのジュニアユースクラブチームなどさまざまな段階があります。所属するクラブチームによって、練習の頻度や厳しさがかなり違ってきますので注意が必要です。親のかかわり方もクラブチームによって大きく異なります。遠征試合のときなどは、親が交代で子どもたちを何人かずつ車で送迎しなければならないところもあるようです。 また、練習のたびにお茶当番として指導者にお茶出しをしたり、子どもたちのケガなどの処置をする必要があるところもあります。また、強豪クラブのレギュラーメンバーになると、都道府県外の別の地域にまで遠征で出かけることもあり、保護者ともども貸切バスなどで移動することもあるため、その分の交通費や宿泊費用、飲食代もかかるでしょう。親がどの程度かかわることが可能なのかということや子どもの適性などもよく見極め、どこで習わせるかをしっかり選ぶことが大切です。

礼儀作法が身につく武道系のスポーツ

柔道、空手、剣道など武道系のスポーツは、礼儀作法が身につくという点で男女問わず人気の習いごとです。大会などでは団体戦もありますが、基本的には相手と1対1で戦う個人競技なので対人関係も学べます。ルールに則った戦いの中で、己の痛みや相手の痛みを知ることのできる精神面が鍛えられるスポーツです。 「礼に始まり礼に終わる」ということは、練習前の道場に入るときから徹底されます。大きな声を出して挨拶が自然にできるようになるでしょう。道場の師範によっても雰囲気は多少異なるものです。また、子どもの多いクラスでは、厳しい稽古の合間にお楽しみ要素を加える場合もあります。小さな子どもから大人までが一緒に稽古をする道場もあり、それぞれの道場でかなり雰囲気が異なります。小さな子供たちの道着の乱れを、少し年上のお兄さんお姉さんが直してくれる様子は見ていて微笑ましいものです。こうした振る舞いが受け継がれて、子供たちは優しくたくましく成長していけるでしょう。 流派の道場、カルチャーセンターのレッスン、スポーツ少年団など、道場によってかなり雰囲気が異なるものです。特に、空手は伝統空手と極真や正道会館などのフルコンでは、挨拶の仕方から、練習内容、試合形式、使う防具などが異なります。ぜひ、それぞれで見学や体験をしてみるのがおすすめです。 剣道や伝統空手では防具が必要です。柔道は、基本的に道着だけですが、柔道着は特に分厚くできていて洗濯も干すのも慣れないと面倒です。空手着は上達して大きな大会に出るようになれば、形と組手で異なる道着がほしくなるでしょう。体にフィットしたものでないと危険なため公式大会では注意されることがあります。成長に応じて買い換える必要があり、ズボンは折り曲げただけではなく、きちんと裾を縫い止めなければなりません。 武道は年齢に関係なく自分のペースで続けられるスポーツです。昇級や昇段審査で自分の上達が客観的にわかりやすい点では、子どもも目標を持って取り組みやすいといえます。空手などでは昇級で帯の色が変わるのを楽しみに頑張る子もいます。

大人になっても続けやすいテニス

日本人プロテニスプレーヤーの世界的な活躍や漫画やアニメなどで、テニスも子どもたちの習い事として人気のあるスポーツです。競技者の年齢層も幅広く、基本を覚えれば子どもから高齢者まで老若男女を問わず楽しめるため、生涯に渡って続けられる球技ということも人気の理由でしょう。テニスの経験があるパパやママは、親子で打ち合ったり、親子でペアを組んで大会に出場したりしたいと夢を持つ人もいるのではないでしょうか。テニスをきちんとした指導者のもとで教わると、しっかりと基本から教えてもらえます。ただラケットでボールを打つだけでなく、基礎体力が身につくうえに、持久力や強い精神力が鍛えられるスポーツでもあります。 試合などでは、状況に応じたとっさの判断力なども必要です。行ったりきたりする小さなボールを集中して見つめることは、目のためにも良いのです。ゲームやスマホ画面ばかり見ている人は、その距離で目のピントを合わせるためピント調節機能が衰えやすくなり、目の周囲の筋肉が凝り固まりやすくなってしまいます。広い空間でボールの動きを追うことは、子どもの目の成長にとってもプラスになるのです。 スポーツクラブなどの運営会社が主催するテニススクールでは硬式テニスがほとんどです。しかし、地域のスポーツ少年団のようなところではソフトテニス(軟式テニス)を教えているところもあります。それぞれに使用するラケットとボール、シューズなどが違うため、それぞれに対応した道具をそろえる必要があります。また、シューズは利用するコートの質によって靴底が異なるため、早まって購入しないほうが無難です。 たいていは初心者用のレンタルの備品があるため、それを使いながら指導者と相談のうえ、自分に合ったものを購入することになるでしょう。ただし、ラケットと張ってあるガットは消耗品です。定期的にガットを購入し、張ってもらうための技術料も必要になります。ラケットもコートにこすったりするとヒビが入ったり折れたりすることもあるものです。試合に出るようになると、1本だけでは心もとないため、何本かそろえる必要があるでしょう。試合用のユニフォームやシューズなどにも規定があるため、公式のものを購入する必要があります。 練習場は、屋外と屋内がありますが、全般的に空調の整った屋内コートでのレッスンのほうが月謝が高くなります。スポーツクラブでスイミングやテニススクールなどが併設されているところは、送迎バスが運行しているところもあるため、親の送迎の負担は少ないでしょう。

姿勢のよさと柔軟性が魅力のバレエ

バレエは昔から女の子の習いごととして高い人気があります。姿勢が良くなり柔軟性が身につく、衣装やレッスン着が可愛らしい、優雅な所作ができるようになる、などが人気の理由です。練習が厳しく、精神的にも鍛えられます。自己表現力やリズム感も身につくので、バランスの良い習いごとといえるでしょう。女の子にはぜひバレエを習わせたいと希望するパパやママも多く、発表会には祖父母を招き、ビデオカメラで我が子を録画する姿が多数見られます。 ただし、この発表会の規模や頻度によっては普段の月謝以外に何かとお金がかかります。本番用の演目ごとの衣装代や会場の使用料、スタッフの人件費などの負担も必要になります。発表会のための特別レッスンなどがあればその分の費用もかかりますし、保護者のビデオ撮影が禁止の場合は業者の撮影が入るためDVDの購入費用なども必要です。出演人数に比べて大き過ぎる立派な会場では一人あたりが負担する費用も高くなります。発表会の頻度も1年に1回なのか、2年に1回なのかによっても負担する費用が異なります。カルチャースクールやスポーツクラブは、運営会社の主催で他の団体との合同で発表会を行うため、バレエ専門の教室に比べれば参加費用は安く済むでしょう。発表会は強制参加ではなく任意参加としているところがあったり、地域のイベント行事の中で舞台発表をしたりする教室もあります。入会費や施設費、レッスン着や月謝だけでなく、発表会にかかる費用などもあらかじめ確認しておくとよいでしょう。 また、教室の規模や先生によって教え方が大きく異なり、クラスの雰囲気もガラッと変わります。幼児クラスでは体を動かす楽しさを重視し、先生もやさしく和気あいあいとした楽しい雰囲気で進むところもあります。小さい子は集中力も長くは持続しないため、途中でゲーム的な要素を取り入れるなどして、飽きさせない工夫をしながら進めるところも多いようです。しかし、その一方、厳しく技術的な指導に徹している先生もいます。先生自身も海外のバレエ団などで活躍していたり、多くのコンクール入賞者を輩出した実績があったりする場合が多いです。そのようなところでは、コンクールや海外留学を目指すお弟子さんが多く集まります。その先輩たちに憧れてバレエを習いたい子供たちが入門します。 このようにバレエ教室はさまざまで、指導者のレベルやレッスン内容は千差万別です。子どもの年齢や性格にもよると思われますが、楽しんで学びたいのか厳しくても上手になりたいのか、子供との相性を見極めることが大事です。

やらせたいスポーツよりも子供がやりたいスポーツを選ぶ

紹介したスポーツ以外にも、野球やフィギュアスケート、ボルダリングなどたくさんのスポーツがあります。地域によって、子供たちに人気のある流行っているスポーツはさまざまでしょう。その中からどのスポーツを選ぶかは、子供本人の興味と適性をよく見極めることが大事です。流行っているから、お友だちがみんな習っているから、という理由で参加させても、長続きしなければ少なからず挫折感を味わってしまうことになります。親がやらせたいスポーツや、親の都合の良い習いごとをやらせるケースが多いのが実情ですが、子ども自身がやりたいと思わなければ上達や長続きがしにくいことは必然です。ぜひ子どもと一緒にさまざまな習いごとの見学や体験をして、先生だけでなく子どもたちや保護者の様子も観察してみてください。