初心者から挑戦できる
バレエダンス
バレエダンスとは

バレエとは、クラッシックバレエやモダンバレエの総称です。バレエの基本動作には、ほかのスポーツにみられない筋トレ効果があり、子どもから大人まで楽しめるものとなっています。バレエはすべての年齢層で関節の可動域を広げ、筋肉を強化することに役立ち、あらゆるエクササイズの中で最も優れているといわれています。
はじめて「バレエ」という名称が使われたのは、美しく動くという側面からです。ルネッサンス期のイタリアの宮廷内で、貴族たちが美しく踊る舞踏会で、Ballo(バロ)と呼ばれるダンスが生まれます。これが、あのイタリア、メディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスによって16世紀半ばフランスに持ち込まれ、Ballet(バレエ)と呼ばれるようになりました。
バレエダンスは、静止したりジャンプしたりと様々な動きがあり、筋力を高めると同時に、どのスポーツにも必要なバランス感覚と筋肉全体のコントロール能力を養うことができます。
体幹が強くなるため、姿勢が良くなり、背中や腰、肩、ひざの痛みを防ぐことに役立つと共に、バレエで最初に練習する基本ポーズには多くの筋トレ効果があります。
ルネッサンス期のイタリアで生まれたバレエダンス

バレエダンスが生まれたのはルネサンス期と言われています。14~16世紀頃のイタリアでは、音楽に合わせて踊る舞踏会が貴族の間で開かれていました。そこでBallo(バロ)と言われるダンスが生まれたのですが、その後歌に合わせて踊るBalletto(バレ)、特定のジャンルの音楽に合わせて踊るBalletti(バレッティ)などのジャンルに進化していきます。Ballettiをカトリーヌ・ド・メディシスという人物がフランスに持ち込んだ時に、名前が変化しBallet(バレエ)と呼ばれるようになりました。
バレエダンスを世に広めたのが、第3代フランス王国国王として知られるルイ14世です。教師を雇い、自分でも熱心に練習するほどのバレエ好きだったルイ14世は、オペラ座の建設やオペラ座バレエ学校の開校などを行い、バレエの地位を確立することに力を注ぎました。ルイ14世の影響もあり発展を遂げたバレエダンスは大人気となり、1800年代にはバレエの基本となるポワント(爪先立ち)の技法も生み出されました。
初心者が知っておきたい
バレエダンスの種類

バレエダンスにもいくつか種類があるのを知っているでしょうか。同じバレエでもジャンルが変われば、用いられるテクニックや音楽も変わってきます。ここからは、バレエダンスの種類について詳しく解説していきます。
クラシックバレエ
クラシックバレエは、バレエダンスの中でももっとも古典的なジャンルです。伝統を重んじ、使われる音楽やテクニックなども厳格に定められています。多くの人がバレエと聞いて思い浮かべる、クラッシックの音楽に合わせてトゥシューズを履いて爪先立ちで踊るものがクラシックバレエです。バレエダンスが生まれたのはイタリアですが、クラシックバレエはロシアで発展したものです。
ロシアでは18世紀に帝室のバレエ学校が設立され、有名なバレエダンサーを数々排出していきました。バレエの振付師として有名なマリウス・プティパも、ロシアを訪れて数々の名作を生み出しています。曲や衣装、振付などに厳格な決まりがあり、それに沿って踊られるバレエの中でも最もクラシカルなジャンルです。
モダンバレエ
伝統を重んじるクラシックバレエに対して、自由度が高く厳格な決まりがないのがモダンバレエです。クラシックバレエから派生したジャンルということで、基本的なスタイルはクラシックバレエと共通していますが、ルールに縛られることなく様々な要素が取り入れられています。クラシックバレエにはない近代的な技や、民族舞踊など他のジャンルの踊りの要素などを取り入れ、自由な表現ができるのがモダンバレエの特徴です。使われる音楽も自由で、クラシック以外の近代的な音楽が用いられることもあります。衣装も厳格な決まりがなく、非常に表現の幅が広いジャンルです。
モダンダンス
モダンダンスは、モダンバレエよりもさらに自由度の高いジャンルです。モダンダンスの祖とも言われているイサドラ・ダンカンによって生み出されたジャンルで、クラシックバレエの制限の多さに疑問を思った彼女が、トゥシューズも履かずに自由に踊る姿が多くの人に影響を与え1つのジャンルとして定着しました。モダンバレエはあくまでクラシックバレエを基礎としていますが、モダンダンスはクラシックバレエの影響を受けないように生み出されたジャンルです。衣装も音楽も技も自由で、踊り手の感情を思いのままに表現する新しい舞踊形態とされています。
初心者が理解したい
バレエダンスの特徴

バレエダンスは世界観も重視する踊りです。美しい衣装を身に付けたダンサーが、音楽に合わせて様々な世界観を表現します。物語もしっかりとあり、シーンに合わせて激しい踊りからゆったりとした踊りまで、様々なダンスを楽しめるのがバレエダンスの特徴です。しなやかで美しい動きも、バレエダンスには欠かせません。柔軟性や美しい姿勢を保つための筋力が必要になるため、健康的な体になりたい、美しい姿勢を身に付けたいという人達がバレエダンスを始めるケースも多いです。
初心者ができるようになりたい
バレエダンスの技

バレエダンスは伝統を重んじるダンスということもあり、基本となる様々な技が存在します。ジャンルによっても変わりますが、バレエダンスで使われることが多い技の数々を紹介していきます。
アンディオール
アンディオールは、脚を外側に向けて立つ技のことです。バレエダンスの基本のポージングになるため、初心者の方はまず覚えておきたい技です。ターンアウトとも呼ばれる技で、爪先だけではなく脚の付け根から外側に開かなければなりません。脚先だけではなく、股関節から開くように意識して練習するとよいでしょう。
ルルヴェ
バレエを見ている時、爪先立ちの姿勢になっていることが多いですが、これがルルヴェと言われる技です。かかとを上げて、体が引き上げられたような状態を保ちます。通常の爪先立ちとは違い、脚の裏をアーチ状にするのがポイントです。脚の甲を前に押し出すような意識することで、綺麗なルルヴェになります。
シャンジュマン
バレエダンスのジャンプ技の1つで、ジャンプ中に脚を交差します。ジャンプ中は体が曲がらないように、真っ直ぐな姿勢を維持することがポイントです。体がクネクネしないように、頭から天井に吊られているような意識で行うとよいでしょう。
アッサンブレ
アッサンブレは、片脚で踏み切ってジャンプし、両脚で着地するジャンプ技です。アッサンブレにも、横のアッサンブレや前後のアッサンブレ、移動しながらのアッサンブレなどいくつか種類があります。最も基本となるのが横のアッサンブレです。アッサンブレは、脚を閉じた状態で着地するというのがポイントになります。そのため、着地する時に脚を閉じるのではなく、空中にいる間に脚を閉じておかなければなりません。ジャンプして一番高い位置で脚を閉じるように意識して行いましょう。
ピルエット
ピルエットはバレエダンスの回転技の中でも、最も基本となるものです。上級者になると何回もピルエットできるようになりますが、初心者は1回転するだけでも難しいと感じるでしょう。ピルエットでポイントになるのが体の軸です。コマを回すのと同じように、体の軸が真っ直ぐでなければ美しく回転することができません。肩、お腹、お尻全てを床と水平にして回るように意識すると、軸がぶれにくくなります。
シェネ
シェネもピルエットと同じ回転技ですが、その場で回るピルエットとは違い、シェネは回りながら移動をする回転技です。右脚を軸にして半回転し、次に左脚を軸にして半回転、この動作を連続で行うことで移動しながら回転することができます。顔は常に進む方向に向けておくことがシェネのポイントです。回転しながら右脚左脚、それぞれに体重移動をさせる必要があるので、その感覚を掴むためにまずは回転せず、その場で足踏みして体重移動の感覚を身に付けておきましょう。
美しい姿勢や体つきになりたい人にもバレエダンスはおすすめ!

バレエダンスは伝統と格式のあるダンスですが、モダンバレエなどのように近代的な踊りを取り入れた自由度の高いものあります。様々な楽しみ方ができるだけではなく、美しい姿勢や身のこなしを身に付けることができるダンスです。厳格なイメージがあるかもしれませんが、モダンバレエなどは厳しいルールもなく初心者でも気軽に始めることができるため、気になる方はバレエダンスにチャレンジしてみてはどうでしょうか。